山本有三が1936年から1946年まで過ごした邸宅で、山本有三はここで、小説『路傍の石』や戯曲『米百俵』を執筆した。
館はゴシック様式風のアーチ、石積みの煙突など大正時代の別荘建築の薫りを今に伝えている。中に入ると、レリーフを施した外壁、広い応接室に暖炉、二階には洋風と和風の二つの書斎などになっており、書斎には有三の机の他に編集者の椅子が設けられ、机に向かい執筆に励む山本有三とそれを待つ編集者…そんな作家の生活が垣間見える。
また窓の多いことに気付く。山本有三は『路傍の石』の吾一のように、逆境に負けず光を求める人間を描いた。「心に太陽を持て」の通り、たくさんの窓を開け、部屋の中を陽の光でいっぱいにしたのかもしれない。