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深大寺


 1200年以上の歴史がある天台宗の古刹、深大寺。昔は鬱蒼とした雑木林のなかにひっそりと建っていたという穏やかな佇まいのお寺だが、多くの文人が訪れるなど、見所は多い。山門を入ると正面に建つ大きな建物が本堂。現在本堂の瓦を吹き替える一大工事の真っ最中だ。また山門右手にある梵鐘も、今年新しいものに取り替えられる予定だ。

 深大寺は王を祀ったとして、寺の創建にまつわるロマンスも残っている。そのため深大寺は縁結びのお寺としても名高い。

 ご本尊は阿弥陀如来像。ちなみにこのご本尊は秘仏中の秘仏だそうで、住職でさえも、一生のうちに何度かしか拝めないものなのだという。

 また最も親しまれてきたのは元三大師。厄よけの霊験あらたかということで、とても人気のある仏様だ。毎年3月3日、4日にはだるま市が催され、境内や門前は春のおとずれを感じながらだるまを買い求める人たちでごったがえす。

 本堂左手の階段を上がると、釈迦堂がある。比較的新しい建物だ。その釈迦堂のなかに安置されているのが深大寺の白鳳仏として知られる銅造釈迦如来倚像、国の重要文化財だ。明治42年に大師堂の軒下から発見されたという。7世紀末に造られたらしく、椅子に座ったような格好がとても珍しいものだという。

 大師堂には幕末から明治初期に活躍した“画鬼”河鍋暁斎が一気に描きあげたという龍の天井絵がある。年月を経て見えづらくなっているが、その迫力ある筆致は一見の価値がある。

 さて、肝腎の深沙大王はどこにいるのか、といえば、境内の外、山門を出て右手に行ったところの右手の林のなかに深沙大王堂がある。昔はこの辺一帯の広大な土地が境内だったらしい。

 そうそう、そばで有名な深大寺のこと、山門を入って左手にはそば観音もいる。

 そのほか、境内には中西悟堂の胸像や、高山虚子、清水比庵、松尾芭蕉ら俳人・歌人の像や歌碑なども数多く残っており、昔から文人墨客たちが愛し、ここを訪れていた証がたくさん残っている。

 山門前にはそば処やみやげもの屋が軒を並べ、そばに舌鼓を打つもよし、焼き物などを見るもよし。深大寺裏には都立神代植物園(有料)、「多聞」隣には水生植物園もあり、どの季節に訪れても散策にはもってこいだ。

 そして深大寺界隈の新名所といえば、深大寺温泉〈ゆかり〉。深い自然のなかでのんびりできる仕上げの場所として、深大寺散策の折りにはぜひとも訪れたい。
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