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第4回

マイナスイオンの陰謀



寒さ厳しい今日この頃だが、皆さん、決して油断してはいけません、とぼくは本日、力を込めて言いたい。「風邪に注意」とか「飲み過ぎないように」とか、庶民的下世話な忠告ではないのである。最近、巷でハバを効かせているあのマイナスイオンというヤツに要注意なのである。

そもそも、いつの頃から我々は「マイナスイオン=心身に良い」などと“洗脳”されてしまったのだろうか。つい10年前、いや5年前に誰がマイナスイオンなんて言葉を知っていただろうか。よ〜く、胸に手を当てて考えていただきたい。答は限りなくゼロに等しいはずである。

そして、ぼくはこの、何かが流行ればそれで金儲けしちゃおう的な考えも実に姑息でイヤらしいなぁと思っている。マイナスイオン効果のある掃除機だのホッカイロだのと何にでもマイナスイオンをつければ売れるだろうというその浅はかさが気に入らない。ならば、マイナスイオン入り納豆をよこせ、マイナスイオン100%の生ビールはまだか、と怒鳴りたくもなるではないか。さらに、それを受け入れる安直な消費者も問題アリだ。テレビでもやってたし山田さんとこもマイナスイオンの洗濯機に買い替えたみたいだし的なオバサンが増えている(ように思う)。ぼく自身、早朝に換気をしようと窓を開け、「う〜ん、マイナスイオンだ」なんて深呼吸している自分に気付いて落胆することしばしばである。

だいたい、皆さんの中で、実際にマイナスイオンが何者かをきちんと説明出来る人はどれほどいるだろうか。元より目にも見えず、匂いも色も、味も素っ気もないヤツである。まだ、UFOや宇宙人の方が時おり“発見”されたり“捕獲”される分、サービス精神旺盛で信憑性と愛嬌があるというものだ。悔しかったら姿を見せてみろ、マイナスイオンめ! と思うのだ。

あっ、そうそう、言い忘れましたがこの場を借りて業務連絡です。この原稿にはマイナスイオン効果があるので、編集長、いつもより原稿料アップして下さいよッ!


松浦 庸夫:
本誌の助っ人編集ライター。英語、映画、アウトドア、環境、タウンなどの各雑誌で執筆・翻訳・編集に携わっている。趣味は映画、読書、スポーツ全般、旅行、料理、街歩き、アウトドアなど。
 

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